2020.05.08 進出事例
宇城市へ進出を決めた3つの理由
採用系事業と教育系事業など人材紹介サービスを展開する株式会社ジェイック(代表取締役・佐藤剛志、以下「ジェイック」)は、2019年10月29日にマザーズ上場した直後に、熊本県宇城(うき)市にサテライトオフィスの立地を決めました。ジェイックは東京に本社があり(千代田区)、横浜、仙台、大阪、名古屋、広島、福岡、上海(中国)の大規模都市に進出していますが、人口5万人の地方都市への進出は、宇城が初めてとなります。
ポート株式会社は、新しい地方支店の立地依頼を受けて、ご要望にマッチする地方都市をご案内し、立地協定までのコンサルティングを担いました。ジェイックが複数候補の地域から、最終的に宇城に立地を決めた背景について、同社常務取締役 の近藤浩充氏にお話を伺いました。
Q:なぜ、人口規模5万人前後の地方都市に進出をしようと思ったのですか?
近藤氏:
売上が成り立つかという視点で、これまでは人口100万人規模の都市へ進出してきました。だいたい大きな都市には進出を果たしています。今回は、これまでの支店のようにサービスを展開して売上を立てるのではなく、求職者への電話サポートを集中的に担うサテライトオフィスの開設が目的だったので、「自社スタッフの採用ができるか」という視点で選定しました。
というのも、現在は新型コロナウイルスで社会状況が一変していますが、2019年の時点では売り手市場だったので、求職者は今よりも就職しやすい状況でした。そうした事情もあり、求職者から当社にお問い合わせはあるものの、そこから面談に繋いでいくのが難しかったんです。それを解消できる方法として、AI導入などのシステム的な方法もありますが、電話によるサポート強化を検討することになったのです。問い合わせいただく全国の求職者を電話でしっかりサポートし、面談まで繋げるためには、ある程度の人的リソースが必要です。それで、立地選定の際には「そのための自社スタッフを現地で採用できるか」という点を重視しました。
Q:宇城への地方進出で展開する事業は具体的にどのような内容ですか?
近藤氏:
当社のような就職支援・人材紹介業の場合、求職者と企業の両方が顧客となりますが、宇城では、求職者のほうを電話でサポートすることがメインの仕事になります。「もっと頑張りたい!」「もっと正社員として仕事したい!」という働く意欲のある人たちをサポートする仕事ですね。どうしたらやりたい仕事に就けるのか分からない人を支援し、やりがいを感じながら安心して働ける人を作っていくことを目標としています。
また、宇城については、全国の求職者の電話サポートを行うのと同時に、宇城周辺の皆さんの雇用創出にも貢献できればと考えています。ジェイックは既に複数の地方都市に出店していますが、出張などで地方へ行く度に、「地方で働きたいと思っているが、やりたい仕事を見つけることが難しい」という地方の求職事情を聞いていました。宇城では、こういうニーズに対応できる電話サポートの職種を展開しています。
ジェイックは、「地方を元気に」という想いで、もっと地方で働く機会を提供していくことを目指しています。宇城へ進出し、地方で意欲的に働く人材を創出することは、その実現にも通じると思っています。
Q:いくつか挙がった候補の中で、最終的に宇城に立地した決め手は?
近藤氏:
大きく3つあります。
まずは、やはり「採用できるか」という点。電話サポートの人材として、それなりの人員確保が必要でしたし、そういう仕事をしたい人材がいそうかどうか。候補都市はすべて現地視察をして、各都市の採用状況を比較しました。宇城は熊本市内で働く人たちのベッドタウンとなっているのもメリットです。「家の近くに仕事ができれば、わざわざ熊本市まで行かなくてもそこで働きたい」という方もそれなりにいるのではないかと思いました。宇城は立地決定後に採用活動をしましたが、150人も応募が集まり期待通りでした。これだけ多くの方に応募していただいたのも、ジェイック以外に同業他社の進出事例が少なく、さらに宇城にとって初めての募集職種で大量採用だったことも大きな成功要因だったと思っています。もともと募集していた電話サポート人材以外に、デザインやシステム関連の経験者や短期大卒業の新卒生の採用もできました。
2つ目は「行政支援」です。
これまで地方進出した際は、助成金も含めて行政に頼らない立地をしてきましたが、今回は人口規模も5万人と中規模都市の初めてのケースで、自分たちだけで判断するのは難しい状況でした。そのため、進出先の行政の職員がどれだけ頼りになるのかという点がポイントになりました。私たちと同じテンションで協力的に動いてくれるかどうか。そのような行政の支援体制を意識しました。助成金については他都市と比較して条件が良ければいいなあとは思いましたが、それ以上に「人」が決め手です。宇城は担当職員が非常に積極的であり、熊本県との連携もしっかりできていたのが良かったです。採用活動の際も一緒に動いてくれました。
3つ目は「拠点運営の効率性」です。
ジェイックは地方に複数立地していますので、既に進出した他の支店との距離感も選定ポイントの1つでした。九州には福岡支店があるのですが、そこから宇城まで2時間圏内で行けます。地方拠点を見て回る機会も多いので、効率よく回れるかどうかも検討材料となりました。
宇城市を拠点に、熊本県全体を盛り上げていきたい。
Q:2020年7月にオープンしたオフィスの魅力は?
近藤氏:
イオンモールまで車で5分くらいの国道沿いにあります。以前はコンビニエンスストアで、トラックが何台もおけるほどの広い駐車場があり、今後の追加採用も含めて想定している社員数分の駐車は可能です。地元の人にとっては非常にわかりやすい立地ですし、商業施設も近いため、生活にも便利なオフィスです。
熊本オフィスの様子
2階建の建物をフルリノベーションしました。
3社からリノベーション提案を募り、そのうちのどれにするかは、採用活動時に面接に来た方々に投票してもらって決めました。私たち経営陣が判断するのではなく、そこで働く人たちにオフィスの内装やデザインを決めてもらうことで、働く意欲にも繋がると期待したのです。休憩室やロッカーもあり、快適な職場環境になっています。
Q:今後、宇城に期待することや取り組みたいことはありますか?
近藤氏:
採用支援事業は、現在、すべてオンラインでやっています。対話する相手との距離はほとんど関係ありません。今は、問い合わせのあった求職者を面談に繋ぐまでが宇城のメイン業務ですが、ゆくゆくは、宇城のオフィスから全国の人たちと繋いで面談ができたら素晴らしいなあと思っています。また、宇城を基点として、熊本県内の他市町村とも協力し、熊本県全体を盛り上げていける事業に発展できたらと思っています。
そのためにも、これからも宇城の職員とは共に、協力体制を築けたらと期待しています。
企業紹介
株式会社ジェイック
- 事業内容
- 就職・採用・教育支援サービス
- 本社所在地
- 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-101 神保町101ビル6F
- サービス
- 各種教育セミナー事業/ 原田メソッド教育研修事業/ 7つの習慣(R)教育研修事業/ 社員教育教材の開発・販売事業/ 若手総合職就職・採用支援サービス「就職カレッジ(R)」/ 女性正社員就職・採用支援サービス「女子カレッジ(R)」/ 新卒学生の就職・採用支援サービス「新卒カレッジ(R)」/ 大学中退者の就職・採用支援サービス「セカンドカレッジ(R)」/ 30代正社員就職・採用支援サービス「30代カレッジ」/ 1年間のリーダー育成プログラム「リーダーカレッジ」/ 大学支援サービス
- URL
- https://www.jaic-g.com/