2018.10.15 進出事例

日南市(宮崎県)に進出した企業事例【株式会社プラスディー】

宮崎県日南市の飫肥(おび)地区で、築100年以上の古民家を改装したサテライトオフィスを2017年7月に開設した株式会社プラスディー(本社・東京渋谷区)。
今回は、日南支社の開所当初から支社長を務める小松正彦氏にお話を聞きました。

日南支社長 小松正彦氏
日南オフィス外観

オフィス開設で空き家問題も解決

 

Q:地方進出をしようとした背景を教えてください。

プラスディーは今期で10期目になりますが、日南支社ができるまでは受託の仕事が中心でした。今後のことを考えていくと、「自分たちで何かを創り出すような仕事をしなければいけない」と考えていたタイミングでした。
社員に地方出身者が多いこともあり、地方創生ビジネスに新たに挑戦してみようという話になり、
そこから地方への進出を検討し始めました。

日南支社長 小松正彦氏

Q:進出先はどのように選びましたか。

自治体とやり取りする中で、「雇用」「空き家」「事業継承」の3つの課題を耳にする機会が多かったです。プラスディーの地方創生の方向性はこの3つの課題に絞り、同様の課題を認識している自治体を探しました。「空き家」問題の解決のために、空き家を買い取って改装したオフィスの開設を考えていましたが、「貸すけれど売らない」と言われることが多かったです。
自治体探しの過程で日南市の崎田恭平市長に出会い、プラスディーが解決したい課題と日南市の課題がマッチしていると感じ、日南市への進出を検討し始めました。

 

Q:日南市の中でも「飫肥(おび)地区」を選んだ理由は?

当時、ポートさんを始めとして、日南の油津商店街にはIT企業が進出していたので、まだどこも進出していない場所が良いと考えていました。
僕自身が城下町の出身ということもあり、市長から紹介してもらった飫肥城下町に興味を持ったのがきっかけです。単に空き家を改修するだけよりも、歴史的価値のある建物を改修し、「プラスディーとして歴史に名を残したい」という思いがありました。その結果、現在の日南支社である旧山口邸を買い取り、改修をしたのです。

 

Q:進出時、一番困った点は?

改修を依頼した業者に、「古民家は状態を確認するまで改修費用はわからない」と言われたことですね。結果的にはかなり状態のいい古民家だったので良かったのですが、改修費用がどこまでかかるのか予測がつかず、ヒヤヒヤしていました(笑)。
100年以上前の古民家ですが、ほとんど当時のまま使用しています。実はこのテーブルも床板を再利用して作ってもらいました。次の100年は「旧山口邸」から「プラスディー」の歴史が刻まれると思うとなんだか嬉しいですね。

床板を再利用して作ったというテーブル(上)床板を再利用して作ったというテーブル (下)会議スペース

 

会議スペース

 

東京の仕事は地方でもできる

 

Q:現地での採用で苦労されたことは?

ありがたいことに、当初想定していた人材を遥かに超えるレベルの採用ができたので、特に苦労はありませんでしたね。採用に関しては、地元の人材会社さんも利用しましたが、日南市の職員の方にもご紹介頂きました。
現在日南支社で働いている4名のスタッフは全員宮崎県出身で、うち1名がUターン者です。

 

Q:現在、日南支社ではどのような業務を担当していますか?

80%が東京と全く変わらない業務です。エンジニア、デザイナー、ディレクターがいるので、渋谷の本社と連携しながら一緒に仕事を進めています。ちょうど日南支社を立ち上げてから1年ほど経ちますが、社員たちも業務に慣れてきたので、3年目には日南支社だけで東京の仕事内容を回せるようになると思います。
「地方でも東京の仕事はできる」ではなくて、「どこでも仕事はできるので、地方でもできる」と考えているので、日南では東京での仕事の水準と変わらないレベルで業務を任せたいと思っています。スキルときっかけさえあれば、地方でも東京と同じ仕事をすることは可能だと思います。

日南支社の社員の仕事風景
(上)日南支社の社員の仕事風景 (下)執務スペース

執務スペース

未開拓の地方ならではのPR効果

 

Q:地方に進出してみて、一番良かった点はどこですか。

良い人材が採用できたこと、定着率が良かったことももちろんですが、なんといってもPR効果です。弊社の地方創生事業として「ヒットメイキングECサービス」がありますが、日南に進出したおかげで自治体への認知度はかなり高まりました。
わすが1年で数百名の方々に弊社のオフィスを訪れていただいており、その中でのご縁でお仕事につながった例も多いですね。
飫肥地区への進出第一号だからこそ、注目されたという部分が大きいかと思います。
ゼロから創るというフェーズでは特に、地方での可能性は無限大だと思っています。

 

Q地方進出を検討している企業へメッセージをお願いします!

弊社の場合、「東京に疲れた」「地方でスローライフを送りたい」という理由で進出しているわけではありません。「地方でもできる」ではなく「地方だからこそできる」ことはたくさんあると思っています。
新たな挑戦をしたい企業様にはぜひ、地方進出をお勧めしたいと思います!

企業紹介

株式会社プラスディー

事業内容
「すべてに “プラスデザイン” を。」という想いのもと、デジタルクリエーティブを中心に、企業と消費者の間により良いコミュニケーションを築く「クリエーティブ&プランニング事業」と映画やミュージックビデオ、企業CMなど、映像コンテンツを考え、形にする「ムービープロデュース事業」を行う。
本社所在地
〒150-0036 東京都渋谷区南平台町7-3 Plus D BLDG.
制作実績
映画「銀魂」、鈴乃屋「衣のいのち」キャンペーンサイト、ソニー「Sony music shop」サイトリニューアル、凸版印刷2018新卒採用サイト「可能性を絞るには、早すぎる」

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